リウマチ科について
リウマチ(関節リウマチ)は、免疫の異常によって自分自身の関節や組織を攻撃してしまう自己免疫疾患です。通常、免疫は細菌やウイルスといった外敵から身体を守る役割を担っていますが、リウマチではその機能が誤作動し、関節に慢性的な炎症を引き起こします。
症状の特徴
発症初期には、手や足の小さな関節に痛みや腫れ、朝のこわばりなどが出現することが多く、時間の経過とともに膝や肘、肩などの大きな関節へ広がることもあります。さらに、関節だけでなく、肺や目、血管などの全身の臓器に影響が及ぶこともあり、微熱・倦怠感・食欲不振など全身症状を伴う場合もあります。
特に重要なのは、発症から2〜3年以内に関節や骨の破壊が急速に進行しやすい点です。この時期に適切な治療を開始できるかどうかが、その後の関節の変形や機能障害を防ぐ鍵となります。
診断と検査
- 血液検査(リウマチ因子、抗CCP抗体、炎症反応 など)
- X線検査:関節裂隙の狭小化や骨びらんの有無を評価
- 関節エコーやMRI:炎症や滑膜の状態を詳細に把握
これらの検査を総合的に判断することで、早期診断と病気の進行度評価が可能となります。
治療とサポート
治療の基本は、抗リウマチ薬(DMARDs)を中心に、病状に応じて生物学的製剤やJAK阻害薬などの最新治療を組み合わせます。薬物療法に加えて、理学療法士によるリハビリテーション、関節に負担をかけない生活指導、装具の活用などを取り入れ、患者様一人ひとりの生活に合わせた包括的なサポートを行います。
リウマチは早期発見と治療が重要です
関節リウマチは、時間の経過とともに関節の炎症が進み、骨の破壊や変形、可動域の制限などを引き起こす疾患です。進行を防ぐためには、できるだけ早期に発見し、治療を開始することが大切です。「朝のこわばりがある」「指や手首が腫れて痛む」といった軽度の症状でも、早期の受診と治療開始が将来の関節機能を守る決め手となります。専門的な治療が必要な場合は、適切な医療機関へのご紹介もいたします。気になる症状がある方は、まずはお気軽にご相談ください。
このような症状はありませんか?
- 鍵の開け閉めがしづらい
- ドアノブを回すのに苦労する
- ボタンの掛け外しに時間がかかる
- 靴ひもやリボンをうまく結べない
- 箸がうまく使えない
- プルタブが開けにくい
- 歯ブラシをよく落とすようになった
- リモコン操作に違和感がある
- ホチキスがうまく扱えない
- 朝食の準備で手先の動きに不自由を感じる
関節リウマチは、特に起床直後の30分ほどに手指のこわばりや動かしにくさを感じやすいのが特徴です。日中や夜になると症状が和らぐことが多く、朝の支度や家事の際に違和感として現れやすい傾向があります。
発症は女性に多く、30~50代で起こることが多いですが、近年は60代以降の発症も増えています。手の第2関節(PIP関節)に症状が出ることが多く、左右対称に現れる場合が多いものの、片側だけに症状が出ることもあります。
症状の出方には個人差があるため、「少し変だな」と感じた段階で、早めに当院へご相談ください。
リウマチによる関節の変形や痛みにも対応します
当院では、リウマチによる炎症の治療だけでなく、炎症後に残る関節の変形や痛みにも専門的に対応しています。
リウマチの活動期が過ぎても、骨や関節の変形によって膝・肩・肘・手足・腰・首などに痛みや可動域の制限が生じることがあります。そうした症状に対しても、整形外科的な視点から治療を行っていますので、どうぞ安心してご相談ください。