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脚のしびれ

足のしびれや痛みが気になる方へ

足のしびれや痛み、片足だけの症状が気になる方へ「足がジンジンする」「片足だけしびれる」「感覚が鈍くなった気がする」など、足のしびれや痛みが続くと、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
足のしびれには、足に力が入りにくくなる「運動麻痺」と、正座の後のようなジンジン・ビリビリ・チクチクとした「感覚異常」があります。こうした症状は、片足だけに現れることもあれば、両足に出ることもあります。
いずれも、脳・脊髄・神経・血流などに関わる病気が隠れている可能性があります。

このような症状はありませんか?

次のような症状がある方は、神経や血流に関連する疾患が原因となっている可能性があります。気になる場合はお気軽にご相談ください。

  • 足がジンジン・ビリビリ・チクチクする
  • 正座の後のようなしびれが続いている
  • 足の感覚が鈍くなった気がする
  • 足が重だるく、力が入りにくい
  • 歩くと足がだるくなる、疲れやすい
  • 坂道や階段の上り下りで症状が出やすい
  • 足の甲・足裏に灼熱感のあるしびれや痛みがある
  • しびれや痛みが片足だけ、または両足に出ている
  • 朝や就寝中に症状が悪化する

足のしびれ・痛みの原因

足のしびれや痛みの原因は、次のように多岐にわたります:

  • 脳・脊髄の病変
  • 腰椎の異常(腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症など)
  • 末梢神経障害(足根管症候群・糖尿病性神経障害など)
  • 血流障害(閉塞性動脈硬化症など) 

短時間で自然に治まるようなしびれ(例:正座後など)は心配いりませんが、以下のような場合は注意が必要です。

  • しびれや痛みが数日以上続いている
  • 症状が徐々に悪化している
  • 同じ症状を何度も繰り返している
  • 歩行が困難になる、力が入らない、転びやすくなった

このような場合、原因となる疾患の早期発見・治療が重要です。
当院ではX線(レントゲン)検査、撮影専門の医療機関でのMRI検査、血液検査なども組み合わせ、検査を行います。

足のしびれ・痛みを引き起こす代表的な疾患

脊椎に原因がある場合

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、背骨の骨(椎骨)同士の間にあるクッションのような役割をもつ「椎間板」が、加齢や姿勢の悪化、外傷、慢性的な負担などによって突出し、神経を圧迫する疾患です。発生部位によって頚椎・胸椎・腰椎の3つに分類されますが、腰椎椎間板ヘルニアでは、お尻や脚にしびれや痛みが出ることがあります。

腰椎椎間板ヘルニア(ようつい ついかんばん ヘルニア)

腰椎椎間板ヘルニア足のしびれや坐骨神経痛の原因として代表的な疾患のひとつが「腰椎椎間板ヘルニア」です。これは、背骨を構成する椎骨(ついこつ)の間にある“椎間板(ついかんばん)”というクッションが、本来の位置からはみ出し、近くの神経を圧迫することで、腰から足にかけての痛みやしびれを引き起こす状態を指します。

原因と発症のメカニズム

椎間板は水分を多く含むゼリー状の「髄核(ずいかく)」と、それを包む「線維輪(せんいりん)」で構成されています。加齢や長年の姿勢不良、重いものを持つ仕事、スポーツの過度な負荷などが影響し、線維輪に亀裂が入ると髄核が外に飛び出してしまいます。これが腰の神経を圧迫し、症状を引き起こします。

特に20〜40代の男性に多くみられますが、最近ではデスクワークの増加に伴い、若年層や女性の発症も増加しています。

主な症状
  • 片側の足に走るしびれや痛み(主にお尻〜太もも〜ふくらはぎ〜足先にかけて)
  • 腰の痛み(腰痛)
  • くしゃみ・咳・排便時に痛みが強くなる
  • 足の筋力低下、脱力感
  • 長距離を歩けない(間欠跛行)
  • 足裏の感覚が鈍くなる、など

神経の圧迫部位によって、症状の現れる場所が異なります。典型的には、第4腰椎〜第5腰椎間、第5腰椎〜仙椎の間に起こることが多く、「坐骨神経痛」として感じられることもあります。

X線検査・MRIによる診断

X線検査では骨の配列や椎間板の狭まりを確認します。ただし、ヘルニアそのものはX線には写らないため、確定診断にはMRI(磁気共鳴画像)が有効です。MRIでは飛び出た椎間板と、それによって圧迫されている神経の状態を明確に把握できます。

治療方法

多くの腰椎椎間板ヘルニアは、手術をせずに治療できる保存療法で改善します。

  • 内服薬・湿布・神経根ブロック注射
  • リハビリ(ストレッチ、筋力強化、姿勢指導)
  • コルセットの装着

症状が強い場合や、排尿障害・強い筋力低下がある場合は、内視鏡下椎間板摘出術や顕微鏡手術などの外科的治療を検討します。

腰椎椎間板ヘルニア
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腰部脊柱管狭窄症

高齢者の足のしびれ・歩行障害の代表的な原因が「腰部脊柱管狭窄症」です。背骨の中を通る神経の通り道「脊柱管」が、加齢などにより狭くなり、神経を圧迫することで腰から足にかけてのしびれや痛み、歩行困難などの症状が現れる病気です。

原因と病態

脊柱管は、脊髄や神経根が通る大切な神経の通路です。加齢や長年の姿勢不良、腰への繰り返しの負担によって、以下のような変化が生じます。

  • 椎間板の膨隆
  • 黄色靱帯の肥厚
  • 椎間関節の変性・骨棘形成(骨のとげ)
  • 腰椎すべり症の合併

これらが脊柱管を狭くし、内部を通る神経(馬尾神経や神経根)を圧迫します。中高年〜高齢者に多く、70代以上では特に有病率が高いとされています。

主な症状
  • 歩いていると脚がしびれる・痛くなるが、座って休むと回復する(間欠跛行)
  • 立っているとつらく、前かがみで楽になる
  • お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけてのしびれ・痛み
  • 腰の痛みや重だるさ
  • 足の感覚異常(冷感・しびれ・灼熱感など)
  • 排尿・排便障害(進行した場合)

特に「間欠跛行(かんけつはこう)」が特徴的で、「歩くと足がつらくなるが、少し前かがみで休むとまた歩ける」という症状を繰り返します。

診断と検査
  • X線(レントゲン)検査では椎間板の狭小化、骨の変形、すべり症の有無などを確認します。
  • MRI検査では、脊柱管の狭窄部位や神経の圧迫状態を立体的に評価できます。
  • CT検査では骨棘(骨のとげ)の状態など骨構造の詳細を確認可能です。
治療方法

保存療法と手術療法

保存療法(まずはこちらから)

  • 内服薬(鎮痛薬・神経障害性疼痛治療薬など)
  • 神経ブロック注射(硬膜外ブロック・神経根ブロック
  • リハビリテーション(体幹筋トレーニング、ストレッチ、歩行指導など)
  • コルセットなどの装具療法

多くの方は、これらの保存的治療で症状が緩和します。ただし、効果が薄い・日常生活に支障が出ている・排尿障害がある場合には手術治療が選択されます。手術が必要な状態の方は、連携する病院にご紹介いたします。

腰部脊柱管狭窄症
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坐骨神経痛

お尻から太もも、ふくらはぎ、足先まで広がる「しびれ」や「痛み」は、坐骨神経痛のサインかもしれません。
坐骨神経痛とは、腰から足にかけて走行する太い神経「坐骨神経」が、何らかの原因で圧迫・刺激されることで生じる症候群(症状のまとまり)です。疾患名ではなく、特定の病気によって起こる「神経症状」を総称した名称です。

坐骨神経とは?

坐骨神経は、腰から枝分かれして出てくる神経の束がまとまってできた、人体で最も太く長い末梢神経です。腰椎から出て骨盤内を通り、お尻の筋肉(梨状筋など)をくぐって太ももの後ろ〜ふくらはぎ〜足の裏にまで伸びています。
この神経が圧迫されたり炎症を起こしたりすることで、神経が支配している領域(臀部~下肢)にしびれや痛み、脱力感が出現します。

坐骨神経痛の主な原因疾患

坐骨神経痛は、それ単独で病名ではなく、以下のような疾患の一症状として現れます。

腰椎椎間板ヘルニア

腰の椎間板が飛び出して神経根を圧迫することで、坐骨神経に沿ったしびれや痛みが現れます。若年〜中年層に多いです。

腰椎椎間板ヘルニア
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腰部脊柱管狭窄症

高齢者に多く、加齢に伴う骨や靱帯の変形で神経の通り道が狭くなり、**間欠跛行(歩くと症状が悪化し、休むと改善する)**を伴う坐骨神経痛が見られます。

腰部脊柱管狭窄症
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梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)

お尻の深部にある「梨状筋」が硬くなって坐骨神経を圧迫することで起こる障害です。長時間の座位やスポーツ後に症状が悪化することがあります。

腰椎すべり症・分離症

椎骨のずれや不安定性によって神経根が刺激され、坐骨神経痛が出現することがあります。

主な症状
  • お尻の奥がズキズキと痛む
  • 太もも〜ふくらはぎにかけてのしびれ、刺すような痛み
  • 足先がしびれる、感覚が鈍くなる
  • 長時間座っていると痛みが強まる
  • 歩行や階段昇降がつらくなる
  • 足に力が入りにくくなる(運動麻痺)
  • 片側だけに現れることが多いですが、両側に出現することもあります。
診断と検査

坐骨神経痛の診断には、まず原因となる疾患を見極めることが大切です。

  • 神経学的検査(SLRテストなど)

  • X線検査(骨の変形・すべりなど)

  • MRI検査(椎間板の突出や脊柱管の狭窄)

  • 超音波検査(梨状筋の評価など)

  • 必要に応じてCTや神経伝導検査なども実施

治療方法

保存療法(まずはこちらを行います)

  • 内服薬(鎮痛薬、神経障害性疼痛治療薬)

  • 神経ブロック注射(神経根ブロック注射、梨状筋下ブロックなど)

  • 理学療法(ストレッチ・体幹筋トレーニング・温熱療法)

  • 骨盤や腰椎の動きの調整、姿勢の改善指導

  • 保存療法だけで症状が改善する例も多く、日常生活の質(QOL)の向上が期待できます。

坐骨神経痛
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腰椎すべり症(ようついすべりしょう)

慢性的な腰痛や足のしびれは、「腰椎すべり症」が原因かもしれません。
腰椎すべり症とは、腰の骨(腰椎)が本来あるべき位置から前後にずれてしまう疾患です。神経の圧迫を伴うと、腰痛だけでなく、足のしびれや歩行困難などの神経症状も引き起こします。

原因と分類

腰椎すべり症は、主に以下の2つに分類されます:

① 変性すべり症(加齢性)

加齢により椎間板や椎間関節が変性し、不安定になることで骨が前方へずれる状態です。
中高年の女性に多く見られ、L4(第4腰椎)でのすべりが多いのが特徴です。

② 分離すべり症(若年・スポーツ)

腰椎分離症に続発して発症するタイプで、骨の後方が疲労骨折などにより分離し、ずれることで生じます。
成長期のスポーツ選手や若年層に多い傾向があります。

主な症状
  • 腰の痛み(慢性腰痛)
  • 太もも・ふくらはぎ・足のしびれや痛み
  • 長時間歩けない(間欠跛行)
  • 腰を反らすと症状が悪化する
  • 下肢の脱力感や違和感
  • 症状が進行すると、排尿・排便障害を伴うこともあります(重度の場合)

症状は、神経の圧迫の有無や程度によって異なります。腰痛のみの場合もあれば、歩行困難なほどのしびれや痛みを伴うこともあります。

診断と検査

当院では以下の検査を組み合わせます

X線(レントゲン)検査

立位と前屈・後屈の撮影で腰椎のずれの有無・動きを確認します。

MRI検査

神経の圧迫の程度や、椎間板・神経の状態を詳細に把握できます。

CT検査(必要に応じて)

骨の詳細な状態(分離の有無、癒合状況など)を確認する際に有用です。

※しびれや下肢の痛みがある場合でも、骨の異常が原因かを見極めるために、腰椎X線は必須の基本検査です。

治療方法

保存療法(軽度〜中等度)

  • コルセットの着用
  • 消炎鎮痛剤や神経痛の内服薬
  • リハビリテーション(腰椎の安定化、体幹筋の強化)
  • 神経根ブロック注射(痛みの強い場合)

適切な保存療法を継続することで、手術に至らずに改善するケースも多くあります。

手術療法(重度)

以下のような場合には、手術が検討されます:

  • 保存療法でも症状が改善しない
  • 神経症状(しびれ・麻痺・排尿障害など)が強い
  • 日常生活や歩行が著しく制限されている

変形性膝関節症

主に加齢によって膝関節の軟骨が擦り減り、炎症や痛みが生じる疾患です。足のしびれや痛みを伴うこともあり、特に中高年の女性に多くみられます。これは、閉経によりエストロゲン(女性ホルモン)が減少し、骨や筋肉の機能が低下することが要因と考えられています。

椎間板変性症

加齢や反復する運動、重いものを扱う作業などにより、椎間板が変性・劣化することで起こる疾患です。主に腰痛を引き起こしますが、神経が圧迫されると足のしびれや痛みが現れることもあります。

末梢神経に原因がある場合

大腿神経障害

腰椎から分かれる大腿神経が圧迫・損傷されることで、太ももの前面にしびれや感覚異常が生じます。糖尿病性ニューロパチーや外傷、腫瘍による圧迫などが原因となることがあります。

外側大腿皮神経障害(大腿外側皮神経炎/メラルギア・パレスチカ)

骨盤の前方(鼠径靭帯の部分)で外側大腿皮神経が圧迫されることで発症します。
太ももの外側に「ジンジンする」「ピリピリする」といった感覚異常が出現します。長時間の立位・歩行、ベルトやきついズボンの締め付けで悪化することがあり、比較的若年から中高年まで幅広く見られる疾患です。

総腓骨神経麻痺

膝の外側を通る総腓骨神経が圧迫されることで、足の甲やすね外側にしびれや感覚低下が起こります。特徴的なのは「下垂足(つま先が持ち上がらず、歩行時に足が引っかかる状態)」です。長時間の正座やギプス固定、外傷などが原因になることがあります。

足根管症候群

足首の内側にある「足根管」と呼ばれるトンネル内で、後脛骨神経が圧迫されることで発症します。
足裏のしびれや灼熱感、夜間に強くなる痛みが特徴で、立ち仕事やランニングで悪化しやすい傾向があります。

内科的疾患が原因の場合

糖尿病性神経障害

糖尿病は、生活習慣の乱れなどを背景に、血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。その合併症の1つである糖尿病性神経障害では、神経の機能が低下し、手足のしびれや冷え、こむらがえりといった症状が現れます。
また、自律神経に障害が及ぶと、立ちくらみ、排尿障害、便秘や下痢といった消化器系の不調も起こることがあります。

ビタミン欠乏

現代の日本でも、極端な偏食やアルコール中心の生活を続けていると、神経の働きに必要なビタミンが不足し、神経障害を引き起こすことがあります。
ビタミンが不足すると、疲労感、頭痛、めまい、手足のしびれ、動悸・息切れ、発汗異常、便秘や下痢、夜盲症など、欠乏している栄養素に応じて多様な症状が現れます。

足のしびれや痛みでお悩みの方は当院へご相談ください

足のしびれや痛みでお悩みの方は当院へご相談ください

足のしびれや痛みは、変形性膝関節症や腰椎すべり症、腰椎分離症など、整形外科的な疾患が原因となっている可能性があります。
症状が軽いうちでも、放置することで悪化するケースもあるため、違和感を覚えた段階で早めにご相談頂くことが大切です。気になる症状がある場合は、お気軽に当院までご相談ください。