肩から手首、手にかけてのしびれは、
神経や血管、脳などさまざまな原因で起こります
肩から手首、手にかけてのしびれは、神経・血管・脳など多くの要因によって引き起こされます。しびれ方は人によってさまざまで、「ジンジン」「ビリビリ」といった電気が走るような感覚や、「正座のあとに足がしびれる感じ」に近いこともあります。中には感覚が鈍くなるケースや、逆に少し触れるだけで強い違和感や過敏な反応が出ることもあります。
しびれは一時的な疲労や血流不足で起こる場合もありますが、首の神経の圧迫(頚椎症や椎間板ヘルニア)、手首の神経障害(手根管症候群)、肩まわりでの神経や血管の圧迫(胸郭出口症候群)など、整形外科的な病気が隠れていることもあります。
また、しびれに痛みや動かしにくさを伴ったり、症状が夜間に強くなったり、天候や気温の変化で悪化したりすることもあります。こうした症状が続く場合は、早めに医療機関で原因を調べることが大切です。
腕のしびれの原因
腕や手のしびれは、脳や脊髄、神経、血管などに関連するさまざまな疾患によって引き起こされます。
一時的な疲労や血流不足で起こることもありますが、中には脳卒中や神経圧迫など、放置すると症状が悪化する重大な病気が隠れている場合もあります。
そのため、しびれが続く場合や、痛み・脱力・動かしにくさを伴う場合は、早めに原因を調べることが大切です。ここでは主な原因と、その特徴的な症状についてご紹介します。
脳に原因がある場合
脳の血管が詰まる・破れることで、脳細胞に酸素や栄養が届かなくなり壊死が起こります。こうした脳の障害によって、腕のしびれや麻痺が生じることがあります。症状は、障害を受けた脳の部位によって異なります。
代表的な疾患
- 脳出血
- 脳梗塞
- 過性脳虚血発作
- 脳腫瘍 など
現れる症状
- 腕のしびれや麻痺
- 感覚や知覚の異常
- 頭痛、意識障害 など
疑わしい場合には脳神経内科などをご紹介いたします。
脊柱管に原因がある場合
加齢による椎間板の変化により、脊髄が通る脊柱管が狭くなると、神経根の刺激や血流の低下によって、しびれや麻痺が生じることがあります。
代表的な疾患
- 頸椎脊柱管狭窄症
現れる症状
- 腕や手のしびれ
- 首や肩の凝り、痛み
- 手指の動かしにくさ、脱力感
神経の圧迫が原因の場合
加齢や外傷により、椎間板の内部にある髄核が外へ飛び出し、神経根や脊髄を圧迫することで症状が現れます。
代表的な疾患
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 頚椎症性神経根症
- 変形性頚椎症
- 頚椎脊柱管狭窄症 など
現れる症状
- 首から腕、手にかけてのしびれや痛み
- 細かい手作業の困難
- 首の凝りや脱力感
末梢神経に原因がある場合
頚椎から分かれた末梢神経が、通過する部位で圧迫されると、腕や手にしびれ・痛みが現れます。
代表的な疾患
- 胸郭出口症候群
- 手根管症候群
- 肘部管症候群
- ガングリオン
現れる症状
- 上肢のしびれ、痛み
- 筋力の低下、握力の低下 など
血行不良が原因の場合
血流の障害により、酸素や栄養が十分に届かなくなることで、しびれや痛みが生じることがあります。生活習慣病(高血圧や糖尿病など)との関連も指摘されています。
代表的な疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 肩凝り
現れる症状
- 腕や手のしびれ、痛み
- 冷感や血の巡りの悪さを感じる